人事労務ニュース
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文書作成日:2016/07/19

精神障害による労災請求件数が過去最多を更新

 長時間労働や仕事のストレスによって過重な負荷がかかり、従業員が脳・心臓疾患や精神障害を発症するケースが増加しています。先日、この労災請求状況に関する平成27年度の集計結果が厚生労働省より発表されました。今回は、この内容についてとり上げましょう。

1.脳・心臓疾患の労災補償状況
 脳・心臓疾患の労災請求件数は795件となり、前年の763件から32件増加しました。一方、支給決定件数は251件と、前年の277件から26件減少しています。
 この支給決定件数を時間外労働時間数(1ヶ月平均)別でみてみると、80時間以上が225件と全体の約90%を占めています。この80時間という数字は、いわゆる過労死認定基準において業務と発症との関連性が強い水準として明示されているものになり、長時間労働のある企業の第1ステップとしては、時間外労働を月80時間以内となるように、部内で業務分担を見直すなどして対策を打っていくことが求められます。

2.精神障害の労災補償状況
 精神障害の労災請求件数は1,515件となり、前年の1,456件から59件増加し、過去最多となりました(下図参照)。一方、支給決定件数については472件となり、前年の497件から25件減少したものの高止まりしています。また認定率については36.1%となっており、申請の3件に1件の割合で労災として認定されています。

図 精神障害の労災補償状況の推移

  この支給決定件数を時間外労働時間数(1ヶ月平均)別でみてみると、80時間以上の時間外労働時間があった件数は192件(全体の約40%)、80時間未満の時間外労働時間数であった件数が202件(全体の約42%)となり、時間外労働時間数が少ないからといって労災として認定されないわけではないことが読み取れます。

 次に支給決定件数を具体的な出来事別に分類すると、上位項目は次のとおりとなっています。

1)仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった(75件)
2)(ひどい)嫌がらせ、いじめ、又は暴行を受けた(60件)
3)悲惨な事故や災害の体験、目撃をした(45件)

 精神障害の中で労災認定された要因としては、仕事の変化と嫌がらせ、いじめといったいわゆるパワーハラスメントが上位を占めています。そのため、仕事の内容が変わったり、同僚の退職等で業務量が増えたりするなど大きな変化があるときには、定期的に過重な負担となっていないか面談を行ったり、パワーハラスメントの研修を行うなどの予防措置の実施が求められます。

■参考リンク
厚生労働省 「平成27年度「過労死等の労災補償状況」を公表」


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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